【RPP広告初心者向け】実例で学ぶRPP広告 PART1
初めてのRPP広告の配信をするにあたって限られた資金の中で私だったらどのようにRPPの配信企画を行うかを4つのステップに分けてご紹介させていただきます。
✔ RPP広告のプランニング方法
・配信商品の決め方
・目標ROASの決め方
・入札CPCの決め方
目次
前提条件
まず私の店舗がどのような状況でなぜ広告配信に至ったのかをご説明いたします。
●商材
本皮製の製品、レディース向け
→財布、キーケース、バッグ、キーホルダー、iPhoneケース
●商品数
60商品
●商品単価平均
約13,000円
●広告月予算
10万
●広告配信にいたった背景
1,オーガニックでの売上が頭打ち傾向にあった
2,認知、売上を拡大し店全体の底上げをしたい
3,ただ予算が限られており、その中でやりくりして費用対効果の最大化を図りたい
この前提条件を元にどのように初めての広告配信を企画していくか下記にてご紹介させていただきます。
ステップ1: 現状の月間売上の全体像を掴む
今回は予算が10万円と限られた予算での配信になります。
従って下記理由により広告配信する商品を絞った方がいいのではないかと考えました。
1,すべての商品を広告配信しても1商品あたりに十分なクリックが獲得できず検証しづらくなる可能性がある
2,クリックが分散してしまうことにより費用対効果が上がりづらくなる
上記から商品別の売上を把握することが重要となります。
以下で実際の売上を見ていきましょう。
商品別の売上の割合を見てみると主力商品の3商品で全体の売上の8割を占めていることがわかりました。
商品A,B,Cは楽天のランキング上位にも載ったことがあり、毎月コンスタントに売上をのこしてくれているため今回の広告予算はこちらの商品に集中させることに決めました。
ステップ2:各商品の情報を整理する
ピックアップした商品の情報を今一度整理しましょう。
「自分で作った商品なんだからいまさらやらなくても、、、」と思われがちですがあくまでもあなたの商品は市場の中の1商品であるため、競合の商品も踏まえた上での情報を整理することが広告戦略を立てる上で重要となります。
商品の下記ポイントも想定しながら整理すると良いと思います。
●どのような客層に受けがよいのか、買っていただいているのか
●どのような需要にあっているのか(ギフト、自分へのご褒美など)
ここまで想定して情報を整理することで商品のブランディング(見せ方)の見直しにも繋がるため幅広い施策で有効に使えます。
またここで得られた商品のポイントや競合と渡り合えるポイントが抑えられたら「狙うキーワード」にも応用できるため必ずやっておきましょう。
【商品A】
<レディースミニ財布>
◆価格:17,000円
◆商品の特徴
・イタリア製本皮
・コンパクトなのに大容量
・カラーが10色
・かわいいタッセル付き
・お札は折らなくて良い
・ギフトラッピング無料
【商品B】
<レディースミニ財布>
◆価格:13,000円
◆商品の特徴
・高級感のある箔レザー製(本皮)
・コンパクトなのに大容量
・ゴールド、シルバー、シャンパン、ピンクゴールドの4色展開
・お札は折らなくて良い
・ギフトラッピング無料
【商品C】
<ミニ財布>
◆価格:11,000円
◆商品の特徴
・本皮
・コンパクトなのに大容量
・グラデーションデザイン
・5色展開
・お札は折らなくて良い
・ギフトラッピング無料
容量の内容は3商品とも全く同じで、商品Aはイタリア製本皮かつタッセルが付いているのが特徴です。
他はカラーバリエーションの部分で差がある程度となっております。
また主に購入される方を分析すると全商品共通で以下のようになりました。
●20代後半〜40代後半の女性が購入の7割を占めていた
●ギフトラッピング希望の購入は全体の2割だった
ステップ3:各商品の目標ROASを設定する
今回の配信において予算10万円に対しいくらを目標に売り上げるか(ROAS)の設定を行います。
目標ROASを設定することで検証が行いやすくなりますし、費用対効果を測る基準になるため必ず設定を行いましょう。
今回は以下条件にて目標ROASを決定いたします。
●各商品の原価率:60%
●残したい粗利:20%
(※粗利=広告からの売上-原価-広告費)
上記条件を各商品に当てはめると以下のようになります。
商品 | 価格 | 原価 | 粗利(20%) | 余り→上限CPA |
A | 17,000円 | 10,200円 | 3,400円 | 3,400円 |
B | 13,000円 | 7,800円 | 2,600円 | 2,600円 |
C | 11,000円 | 6,600円 | 2,200円 | 2,200円 |
表の中で「余り→上限CPA」とありますが、今回は粗利を20%残し、それ以外を広告費と計算する形で算出しております。
「上限CPA」とは粗利20%以上残すために使えるぎりぎりの広告費という意味になります。
すなわち商品Aの場合、広告費3,400円以内で1件売上が取れればよいということになります。
上記から目標ROASは以下のように算出ができます。
価格 ÷ 上限CPA × 100(%)
従って目標ROASは以下のようになります。
商品A:500%
商品B:500%
商品C:500%
今回は粗利率を一律20%に設定していることもあり、すべて同じになりました。
捉え方としては「投入した広告費の5倍売上を立てる」という捉え方になります。
本来であれば原価率、粗利率も商品によって異なることも多いと思われますので目標ROASは必ずしも同じになるとは限らないためご留意ください。
ステップ4:各商品の入札CPCを決める
「上限CPA」、「目標ROAS」も決まりましたので次は実際に入札するCPCを決定していきます。
必要な数値は「上限CPA」と「CVR」です。
今回はまだ広告配信を一度も行ったことがない設定のためオーガニックの「CVR」と「アクセス数」を使用します。
各商品を以下に記します。
商品 | 上限CPA | CVR |
A | 3,400円 | 2.6% |
B | 2,600円 | 2% |
C | 2,200円 | 1.3% |
※CVRは直近3ヶ月のCVRを算出すると良いと思います。理由としては単月で算出してしまうと偶発的に数値が良かった、悪かったという可能性が高まり数値の信憑性が薄くなってしまうためです。
CVRとは「購買率」を示します。
商品Aの場合ですと、「100人中2.6人」が買ったということになります。
上限CPAに収まるようにどのくらいのCPCまでであれば許容範囲内なのかの計算は以下になります。
上限CPA × (CVR × 80%)
まずCVRを80%にする理由をお伝えいたします。
前述した通り今回のCVRは「オーガニックのCVR」を使用しております。わかりやすく言うと広告配信時よりも良い数値になることが想定されます。理由は以下のとおりです。
●既に商品やお店のことを知っていて指名検索を行ったユーザーが購入している場合がある
●口コミやSNSなど検索以外の流入から高いCVRを取っている可能性がある
ファンやリピーターの多い店舗だと上記が顕著に現れると想定されます。
広告配信を行うということは、「配信する商品に関心の薄いであろうユーザー」の目にも止まり流入するということになります。そのため「オーガニックのCVR」よりも低くなる可能性が高いと言えます。
※今回は80%にしておりますが、商品によって70%、60%と調整していって構いません。
上記計算式に当てはめて各商品のCPCを算出すると以下のようになります。
商品 | CPC | 実際に設定するCPC |
A | 70円 | 65円 |
B | 41円 | 35円 |
C | 22円 | 15円 |
商品AはCPCの上限を70円まで設定できるという捉え方になります。
ですが初回の配信ということもあり、想定通りのパフォーマンスを下回る可能性も鑑み、最初から上記設定にはせず5円ほど安めに設定します。
以上でCPCまで落とし込むことができました。
上記のCPC設定で配信を開始します。
配信開始からある程度クリック数などのデータが溜まらないと改善の判断ができないため基本的に3日程度は数値は見るがCPCは変更しません。
その後は毎日数値を見ながら2日、または3日に一度CPCを微調整し、費用対効果の最大化を目指します。
さいごに
以上、私だったら初めてのRPP広告をどのようにプランニングし、初期設定を行うかを解説させていただきました。
最初は限られた予算の中で費用対効果を求めていくことがとても重要です。小さくても1つずつ成功体験を重ねていき、横展開を行っていくことが売上を最大化させるための近道だと思っております。
是非参考にしてプランニングしてみてください。
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